学科案内 Department information

主任教授挨拶 Greetings from Department
応用情報工学科紹介と教育目標 Introduction of Department
3つのポリシー Policy
履修モデル Course model

主任教授挨拶 Greetings from Department

応用情報工学科は、学科名が表すとおり単に情報工学を学ぶ学科ではありません。“応用”に本学科の真の“思い”が込められています。本学科は、従来からある情報通信技術、情報処理技術に加え、深層学習(Deep Learning)と呼ばれる機械学習による最先端の人工知能(AI: Artificial Intelligence)技術を駆使し、独創的なものづくりに携わることができる創造性ゆたかなエンジニアを育成するということを目的としています。ここでいう「ものづくり」とは、ソフトウェアとハードウェアの両面をバランスよく考慮したシステム開発を意味しています。

地球温暖化、脱炭素・ガソリン、新型コロナウィルス、人類が直面する課題は、時々刻々変化し、常にその対策案が要求されています。移り行く時代において、何かをきっかけに『大切にすべきもの』がクローズアップされた結果、課題が具体化されるので、直面する課題がなくなるということはありません。さらに、情報通信のハードウェアとソフトウェアの発達により、その課題の変化のスピードは増す一方であり、スピード感のあるタイムリーな対策が必須となります。どのように課題が変わろうとも、情報通信技術、情報処理技術は社会を支える基盤技術としていかなる分野においても重要な役割を担うことは言うまでもありません。当然、その情報分野では常に若い優秀なエンジニアの育成が強く求められ、その活躍の場は無限にあると言えます。

本学科では、広い応用分野をもつ情報技術に対するしっかりとした基礎を身につけたうえで、一人一人の学びのニーズに応じた履修が可能となるように6つの履修モデルコースを設けています。

「情報ネットワーク」コースでは世界中のコンピュータを高速の通信回線で結ぶことによって誰もが容易に使える様々なサービスを可能としているインターネットについて、ネットワークの仕組みやセキュリティ向上のための認証技術・暗号などの技術を身につけることができます。

「人間環境情報」コースでは、コミュニケーションにおいて人間がさまざまな感覚を通じてやりとりしている情報やその人間をとりまく環境の情報をコンピュータで認識・生成できるようにすることで、ユーザにコンピュータという機械の存在を意識させない「人に優しい」情報通信システムを実現するための技術を身につけることができます。

「社会情報」コースでは、インターネットとともに登場したウエブ、ブログ、チャット、ツイッターなどのコミュニケーションツールの仕組み、世界中の大量マルチメディア情報から必要情報を即座に取り出すことができる検索エンジン、それを支えるデータベースの仕組みなどの技術を身につけることができます。

「ユビキタス」コースでは、あらゆる機器にコンピュータ・無線通信機能を組み込むことによりインターネットとの接続を可能にし、何時でも何処でも所望のシステムに接続できるユビキタスな情報処理環境を実現する技術を身につけることができます。

「生体情報」コースでは、生体がもつ高度な情報処理の計算原理をコンピュータによる情報処理に応用することをめざす生体情報処理や人工知能に加えて、画像処理や信号処理を医療や福祉などの分野に応用することをめざす技術を身につけることができます。

「基礎情報」コースでは、コンピュータの基礎原理に精通し、独自の計算システムを設計・実装できる計算機のエキスパート、あるいは次世代の情報工学の基礎分野を切り開く基礎技術を身につけることができます。

皆さんは応用情報工学科で学ぶことによって、このように広範囲の研究開発に携わるための知識と技術を身につけることができます。専門分野の知識・ 技術獲得に加え、深い教養と国際性を身に着けて頂くために理工学部全体で広い分野に多様な教養科目を用意し、語学については少人数教育を実施しています。本学科で若さと意欲にあふれる皆さんの大いなるチャレンジを期待しています。

令和4年度 学科主任 藤井 章博

応用情報工学科紹介と教育目標 Introduction of Department

20 世紀末に急速に展開し始めた情報技術(information technology:IT)は、我が国の社会基盤を“工業社会”から“情報社会”へと変え、以前は計算のために用いられてきたコンピュータがネットワークで繋がり、インターネットを介した情報検索や情報発信を行う道具に変貌しました。インターネットで常にアクセス可能でグローバルな情報やサービスは、ビジネスの方法や市民の生活様式をドラスティックに変えつつあります。政府も国民生活のさまざまな分野でのIT 化を積極的に推進し、近年では安心、安全な生活を提供する情報システムの構築に大きな投資がなされています。ネットワークで結ばれた情報化社会では、いつでも、どこでも、誰でも様々な情報にアクセスできるように情報環境を構築することが必要であり、また、そのような環境の下で、安全に、かつ安心して暮らしていくことができるような情報の応用技術の展開が望まれています。

このような時代における情報技術者は、基礎能力としての情報スキルを磨き、情報社会を構成する応用技術の開発に必要な柔軟性と、さまざまな問題に対して的確に対処できるために幅広い知識をえる積極性を持っていなければなりません。我が国でも産業構造は製造業からソフトウエア・サービス業に移行しており、情報関連の応用分野は急速に拡大していますが、この情報産業を根幹から支え担うことができる情報技術者の数は不足しています。

多様化した情報環境に対応できる技術者を育成するために応用情報工学科では、後述する情報の応用分野で活躍するための6つの履修モデルを例とした教育カリキュラムを提示しており、情報関係の基礎知識を充実させるとともに、電気電子工学と情報科学の両者の境界領域の基礎を固めます。具体的には、「ネットワークによってさまざまなものやことを有機的に繋ぐ仕組み作り」をコンセプトに、インフラとしてのネットワーク自体を取り扱う領域、社会とネットワークが関わる領域、自然や人を取り巻く環境とネットワークが関わる領域、人がネットワークと関わる環境を取り扱う領域、ネットワークを高度医療や高齢化時代の介護に応用する領域、という5つの応用領域、それらの発展に横断的に寄与する情報処理の基礎技術を展開するカリキュラムを用意しています。

応用情報工学科では、利用する人にとって有用で安全な、ネットワークで繋がれた情報環境を構築できるエンジニアの育成を目的に、以下の6つの履修コースを設定し、実践的な教育を行い、我が国の情報産業のキーパーソンとなる人材を育成します。

3つのポリシー Policy

学生受け入れ方針 Admission policy

本学部の教育理念・目的を達成するとともにその効果を高めるためには多様な資質を持った学生を受け入れ、相互に切磋琢磨する教育環境を構築することが重要である。下記のように多様な入試経路を設け異なる背景をもって入学した学生が在学期間中に互いに啓発しあうことにより、社会的適応性をもち人格的にも優れた人材を輩出することを可能とする。

  1. 一般入学試験 (学部・学科に重要な基礎学力のレベルの高い学生を選抜する)
  2. T日程および英語外部試験利用入試 (全国から主要科目の基礎学力を重視し学生を選抜する)
  3. 大学入試センター試験利用入試 (バランスのとれた学力を有する学生を全国から集めることを目的とし、基礎学力に注目した選抜を行う)
  4. 指定校推薦入試 (豊かな自発性、指導性、自由な発想力を重視して指定する高校から優秀な学生を受け入れる)
  5. 付属校推薦入試 (高大連携により特色ある教育の実践を目指し意欲のある付属校生を受け入れる)
  6. 帰国生入試・外国人留学生入試 (国際性を身につけた学生を受け入れる)
  7. スポーツに優れたものの特別推薦入学 (学業とスポーツを両立できる優れた人材を受け入れる)

なお、いずれの経路の入学生にも高校で履修する理系科目及び英語について、入学時十分な基礎的素養を持つことが要求される。また、障がいのある学生についても可能な限り受け入れる方針である。

教育課程の編成・実施方針 Curriculum policy

理工学部の教育目標・ディプロマ・ポリシーに従った教育を実施するため、下記の方針に従って教育課程を編成する。

  1. 時代のニーズに対応したコース設定により履修を体系化させ、社会の要請に応える質の高い教育を実施する。
  2. 少人数のゼミ教育のなかで先端的な実験・研究への取り組みを行うことにより高度な専門性と独創性を身につけさせる。
  3. 学びの多様性、学際分野の学びに対応するため、学部横断的教育プログラムを設ける。
  4. 自然法則に感動を覚える基礎実験、参加型学習(PBL)等により高い動機づけを行う。
  5. インターンシップ等のキャリア教育により実務能力と社会人としての倫理観を育成する。
  6. 外国語による論文作成法や口頭発表等の実用的なコミュニケーション能力の涵養をめざし、能力別、少人数教育、スタディアブロード(SA)等を実施する。
  7. 自然科学系の基礎科目(数学、物理)について基礎学力が不足する学生に対しリメディアル教育を充実させる。
学位授与方針 Diploma policy

理工学部の教育目標に従い、以下の能力及び人間的、社会的規範を持った人材を育成する。卒業所要単位を修得した学生はこれらの能力について基準を満たすと認め学位を授与する。

  1. 専門分野の体系的学識を持ち、優れた問題発見・解決能力を有するとともに変化の速い先端技術に自律的に柔軟に対応可能な専門性を有する。
  2. 専門分野の学識に加え学部教育で総合的に培われた基礎・基盤学問分野の素養をもとに新たな分野の開拓・創生に挑戦する創造的姿勢を有する。
  3. 専門分野において外国語によるコミュニケーションが可能であるとともに異文化を良く理解し、グローバルに活躍できる国際性を有する。
  4. 技術と社会のかかわりを深く意識し、高い倫理観を持って持続可能な社会構築にむけリーダーシップを発揮し貢献できる豊かな人間性を有する。

履修モデル Course model

6つの履修コースの概要と、各コースで履修を推奨する科目について説明します。このコース分類はあくまでも一つの目安であり、複数のコースにまたがった履修も可能です。ただし、これらのコースにおける履修推奨科目は、専門科目と理系教養科目についてのみ記載されているので、各自、進級条件・卒業要件を満たすように、履修登録制限内で計画的に履修して下さい。また、これら各コースの履修モデルは、そのコースに該当するゼミ(研究室)に配属されるための条件ではありませんが、推奨科目の履修により卒業研究にとりかかりやすくなると思われます。

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